数々の面白いドラマに主演してきたパク・シフ。『名もなき英雄<ヒーロー>』(以下、『名もなき英雄』と表記)も代表作の一つだ。この『名もなき英雄』でパク・シフが演じるのは、中央情報局の元秘密要員だったペク・シユン。無念の中で死んだ後輩の復讐のために彼が悪に立ち向かう、というのがメインストーリーだ。
町の団結力
『名もなき英雄』では、主人公のペク・シユンが経営する「Bar隣人」に様々な人物が集まってくる。
刑事のテホ(チョ・ソンハ)、就活生のチャンギュ(イ・スヒョク)、脚本家志望のジョンヨン(少女時代のユリ)……。こういう人たちがペク・シユンと団結していくところが『名もなき英雄』の見どころだ。
ペク・シユンの復讐劇はいつしか町内の希望となり、町の団結力が悪を倒していく。つまり、町のみんなが名もなき英雄なのである。このあたりの展開を堪能すると、ジワリジワリと感動が広がってくる。とても好感が持てるドラマだ。
この『名もなき英雄』で主役を務めるパク・シフといえば、なんといっても声の響きが抜群にいい。
彼はどのようにして魅力的な声を維持しているのだろうか。
パク・シフがこう語っている。
「たまに公園でジョギングをするのですが、そのときにいつも大きく発声練習をします。日常的に発声練習を欠かさず行なっています」
なるほど。やはり普段の努力が欠かせないのだ。
吹き替え版で見ている視聴者は、可能なら韓国語で『名もなき英雄』を見てほしい。そうすれば、パク・シフの地声にウットリなるだろう。
ク・シフ自身は俳優としての自分の長所をどう見ているのだろうか。
彼はこう証言する。
「私は、素質に恵まれた俳優ではありません。それだけに、もっと努力しなければならないと思っています。ファンの方々も、私の努力する姿を見てくださっているのではないでしょうか」
その通りに違いない。パク・シフは自分の至らなさを自覚しながら、より良き演技を模索している。
その姿勢は、次のような言葉にも現れている。
「演技力で感銘を受けた俳優は私以外のすべてです。誰もが、本当にすばらしい演技を見せてくれました」
パク・シフの信条はまさに「我以外はみな我が師」。共演者と呼吸を合わせるのがうまいのも、同じドラマを共にする人たちを本当に信頼しているからだろう。
文=「ロコレ」編集部