自ら進んで困難に立ち向かった
彼はただ兵役の義務を果たしているだけではない。自ら進んで苦労を買って出て、高貴な形で最後まで義務を全うしようとしている。
誰にでもできることではない。
それゆえに、テギョンの心意気は尊いのだ。
彼は「模範兵士」に選ばれて次のような感謝の言葉を述べた。
「軍生活を通じて多くのことを学びました。残り少ない除隊日まで誠実に軍生活を続け、より良い姿をお見せできるように努力します」
確かに、学んだことは多かっただろう。それもすべて本人が楽な道を選ばずに自ら進んで困難に立ち向かったからだ。
韓国の兵役文化は健全化に向けて確実に変わってきた。それを証明したのがテギョンであった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。