情緒にあふれた世界
『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』で注目したいのが、キム・ナムギルとチョン・ウヒの息が合った演技だ。
特に、2人が作中で次々に変化していく表情には、何か引き込まれるような感覚があり、とても印象深いものだった。
キム・ナムギルは、驚いたときや怒ったときなど多彩な表情を巧みに演じ分けていた。一方のチョン・ウヒは、悲しく辛い出来事を秘めながらも明るく振る舞っていた。その姿が印象的だった。
ストーリーにも大いに注目したい。様々な伏線があって、それが糸のようにつながって物語を豊穣の世界に導いていた。
やはり、韓国映画には情感が不可欠だ。「人と人の交わりがいかに情緒にあふれたものであるか」を『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』は美しい映像で存分に見せてくれた。