朝鮮王朝おもしろ人物列伝(尹元衡〔ユン・ウォニョン〕編)

このエントリーをはてなブックマークに追加

あまりに多くの恨みを買った

事件の発端は、都の南にあった良才駅で政権批判の張り紙(壁書)が発見されたことだった。そこには、「上では女王が、下では奸臣が権力を占めているから国が滅びてしまう」ということが書かれてあった。
尹元衡は政敵の仕業であると捏造し、「女王」と名指しされた文定王后の指示をあおぎながら、この張り紙を大問題に仕立てあげた。
その結果、尹元衡の政敵はことごとく排除されてしまった。




こうなると、尹元衡の横暴ぶりも限界がなくなる。姉の文定王后が「陰の女帝」として君臨していることを利用して、尹元衡はあまりにひどい賄賂政治を続けた。
さらには、鄭蘭貞と共謀して妻を毒殺し、新たに鄭蘭貞を正妻に迎えた。
ただし、尹元衡が権力をつかんだと言っても、それは姉の威光があったからだ。姉の文定王后が1565年に世を去ると、一気に尹元衡は奈落に落ちた。今までの悪行が次々に暴露されたのだ。
処刑されるのを恐れて、尹元衡と鄭蘭貞は逃亡した。地方で息をひそめて暮らしたが、最後は2人とも自決している。あまりに多くの恨みを買いすぎていて、結局は自ら命を絶たざるをえなくなったのだ。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
提供=「歴史カン・ヒボン」

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(12代王・仁宗編)

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(文定王后編)

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(鄭蘭貞編)

固定ページ:
1 2

3

必読!「ヒボン式かんたんハングル」

「韓流ライフ」というジャンルの中に、「ヒボン式かんたんハングル」というコーナーがあります。ここには、日本語と韓国語の似ている部分を覚えながら韓国語をわかりやすくマスターしていく記事がたくさん掲載されています。日本語と韓国語には共通点が多いので、それを生かして韓国語の習得をめざすほうが有利なのです。ぜひお読みください。

ページ上部へ戻る