韓国は、鼻と目と耳と舌で感じる国だ

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かつては「近くて遠い国」と言われた韓国。今は、「近くて、よくわからない国」と感じている人が多いかもしれない。でも、実は韓国って、わかりやすい国だ。頭で語ろうとするからわかりにくくなる。率直に、鼻と目と耳と舌で感じればいい。そうすれば、韓国が「近くてわかりやすい国」になる。

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異質と感じるのはほんの一瞬

韓国を旅していて、いきなり出番があるのは鼻だ。
生きることは臭うこと。この国で生活する人たちのナマナマしさを臭いが最初に教えてくれる。
たとえば、釜山(プサン)の港。入国した旅行者はいきなり自分の嗅覚がまだ正常であることを知るだろう。ゴマ油にニンニクをまぜて気の遠くなる時間まで漬け込んだような臭いが、空気中の酸素をも脅かしている。




それはまた、旅行者が韓国の熱気にあてられフラフラになって帰国の途につくまで、見えない見張り役となって始終まとわりついてくる。たとえ香水に彩られた高級デパートの化粧品売り場でさえ、甘美な匂いに決して消されまいとしてあの臭気が容赦なく鼻の穴を狙う。
でも、安心していい。臭いほど敏感でいて、そのくせ鈍感なものはないからだ。異質と感じるのはほんの一瞬である。以後は嗅覚のほうが先に韓国に慣れてしまって、日本をひきずる表層意識のほうが早く追いついてくるのを待つようになるだろう。(ページ2に続く)

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