スター中心のマーケティング
日本の人たちが韓国の大衆文化に関心を深めたのは事実だが、それはわずかなドラマや数人のスターたちに限定されている。そのことに韓国では危機感を持っている当事者も多い。
たとえば、著名なある監督は、何よりもスターのパワーに依存する制作システムを変えることが韓流の危機を解決する方法だと指摘している。
「最近はドラマ制作において、俳優の力が強くなりすぎています。キャスティングがあまりに重視され、様々な要素を俳優だけに合わせなくてはならない状況になってきています。けれど、シナリオと演出の重要性は、時代が移っても変わりません」
こう語って、あまりにビッグスターに依存する傾向を批判した。
日本で韓流ブームが下火になっていると判断している人たちは異口同音に、「スター中心のマーケティング」に限界があると主張する。
しかも、アジア各国での受けを狙った韓流企画ドラマの多くは、作品の完成度という面で批判を浴びている。
たとえば、たくさんのドラマが主に日本の市場を見据えて作られたが、それらは特別な成果をあげられないままに終わった。こうした作品の共通点は、まさに未熟なコンテンツを韓流スターのイメージでカバーしようとしたことだった。
このような現象が反復された場合には、当然ながら、韓流ドラマも競争力を持つことが難しくなる。(ページ3に続く)