KBSから離れたペ・ヨンジュン
ペ・ヨンジュンは妥協しないが、韓国社会ではそれが「年下の者が年上に向かって……」という固定観念で見られて、摩擦を生んでしまうこともある。それは、ペ・ヨンジュンが生意気だからではなく(むしろ、彼は撮影現場でも謙虚にふるまうことでよく知られている)、ドラマの質を上げるために行なったことなのだ。それが曲解されてしまうのは、ペ・ヨンジュンも言及したように残念なことだった。
結局、ペ・ヨンジュンはKBSから離れることになった。
ただし、後味がよくなかった。なぜなら、他の放送局に初めて出ることになったのが、KBS制作ドラマの降番がきっかけになってしまったからだ。
実は、ペ・ヨンジュンは『裸足の青春』の次作として、1998年10月からKBSの『チョンイハク』というドラマに出ることになっていた。
しかし、KBSドラマ局の幹部は「ペ・ヨンジュンが共演者のキャスティングにまで口をはさんでくる」と不快感を示した。これに対し、ペ・ヨンジュン側は「共演者の決定が遅れて心配していただけ」と表明したが、結局は『チョンイハク』への出演をとりやめる決定をした。
彼は、先に紹介したインタビューの中で、「今後は良質の作品を優先させたい」という強い意思を示していたが、その信念に基づいて行動しようとした。それが、結果的にKBSを離れることになった。
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