映画への情熱
デビュー作は話題性で引っ張れる部分もあるし、周囲も一応は温かい目で見てくれる。しかし、二作目以降はそういうわけにはいかない。主役を演じる適性があるかどうかが厳しく問われるのである。
しかも、『若者のひなた』はストーリーが複雑で、感情表現が難しい場面が多かった。まさに主役としての真価が問われるドラマだった。
ペ・ヨンジュンも率直に告白する。
「デビュー作の『愛の挨拶』は私を含めて主演クラスが新人ばかりでした。けれど、『若者のひなた』は状況がまったく異なっていました。新人クラスは私一人で、共演者のほとんどは熟練した演技力をもつ先輩たちでした。プレッシャーを感じないはずがありません。私がダメだと、その余波が先輩たちにまで及んでしまうんです。最初から緊張の連続でした」
プレッシャーの固まりだったペ・ヨンジュンを救ってくれたのが、共演のイ・ジョンウォンだった。彼が本当の兄のようになんでも面倒を見てくれた。
演技のことはもちろん、社会人としても何から何まで教わった。そのおかげでペ・ヨンジュンは随分と救われた。
また、彼が『若者のひなた』に出て有意義だったのは、映画の勉強に専念する若者の役だったことだ。
「『若者のひなた』に出演中は、本当に映画の勉強ばかりしていました。特に、フランスの映画監督の話から学ぶことが多かったですね」
デビュー前には映画制作の現場を知りたくて映画会社でアルバイトした経験を持つペ・ヨンジュンは、このドラマを通してますます映画への情熱を高めたのである。
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