第3回 『愛の挨拶』の主役に決定
大学受験に失敗したあと、「俳優になりたい」という明確な目標を持ったペ・ヨンジュン。映画会社のスタッフとして映画制作の現場で経験を積んだり、演技学校に入って一から基礎を学んだりして、来るべき日に備えた。
映画の現場を経験
ペ・ヨンジュンの脳裏にいつも残っていたのは、映画会社にいるときに、もっと果敢にチャレンジすべきだったという思いだった。
彼が合同映画社に入ったとき、当初は事務の仕事ばかりさせられた。撮影現場で経験を積みたかったのに、なかなか機会がなかった。自分がやりたいことを積極的にアピールできなかったペ・ヨンジュン自身にも問題があったことは確かだ。
しかし、わずかなチャンスはあった。あるとき、「無線機を持って現場に来い!」という指示を受けた。
待望の撮影現場で働けるという事実に心ときめかせたペ・ヨンジュン。彼はソン・チャンミンとシム・ヘジンが主演した映画『愛したい女、結婚したい女』の撮影現場に向かった。そこで、ロケに備えて通行車両を整理するのが与えられた役目だった。
なんでも一生懸命に取り組むペ・ヨンジュンだけに、無我夢中で仕事をこなしていたのだが、やはり撮影のほうが気になる。しかも、撮影が佳境に入ってくると、つい俳優たちの動きに気を取られてしまった。
結果的に、通行車両の整理に支障をきたし、撮影は何度かNGになった。当然ながら撮影スタッフからどなられ、こっぴどくおこられた。
それでも、ペ・ヨンジュンはちょっぴり幸せな気分だった。テレビや映画でしか見たことがない有名な俳優たちに挨拶することができて、なんだか俳優の世界にちょっぴり足を踏み入れた気持ちになれた。
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