ジャッキー・チェンを救った男
どんなに高い評価を得ても、チェ・ミンスは浮かれない。
「インターネットのことはあまり知らないですね。私はもともと、視聴者の方たちの評価に神経を使わないようにしているからです。自分で演技の分析をすることもありません。自分が感じた通りに演技するだけです」
自分を信じることがチェ・ミンスの俳優哲学だった。
2005年には映画「The Myth」に出演。アクション映画の最高峰に君臨するジャッキー・チェンと共演した。この撮影中には面白いエピソードがあった。
映画の舞台は朝鮮半島が三国時代を形成していた古代。中国の将軍(ジャッキー・チェン)が高句麗の王女(キム・ヒソン)を拉致し、逃げる最中に絶壁でチェ・ミンスに王女を奪還されるシーンがあった。
しかし、ジャッキーが再び王女を拉致するため馬車に近づいたとき、馬車の間隔がひらきすぎてしまい、彼はそのまま絶壁の下に転落する危機に直面した。
このときすばやくチェ・ミンスが彼の手を取って引き上げ、惨事を回避することができた。
ジャッキーが感謝したのはもちろんのこと、この日撮影が終了した後も、自分の宿舎にチェ・ミンスを招待し格別の気持ちを表したという。
また、命を助けるだけではなく、チェ・ミンスは朝鮮半島の古代の歴史をていねいに説明したそうだ。(ページ4に続く)