反日感情を感じないけれど…
康「実際に韓国の俳優で政治的な発言をする人が結構多いですよ。俳優が派手にデモをしたりしています。韓国の映画人が反権力というわけではないのだろうけど、社会問題が根底の映画をよく撮っているという意味で言うと、テレビではできないことを映画でやっている。それを国民が観客動員数で応えているわけで、活気がある業界だと思いますね」
慎「価値観が合致しているところは、やっぱりエネルギッシュでパワフルですね」
康「韓国では、みんなが黙っていないと感じますね。韓国人は自分が言いたいことを言わないと凄くストレスになるわけでしょ」
慎「そうですね」
康「日本だったら『こんなこと言ったら場に合わないかな』と思って、自己規制してしまいます。韓国の人たちは逆に自分が言いたいことを我慢するほうが身体に悪いという感じで、何でも喋るでしょ。それがいろんな表現手段に生きてくる。たとえば、エンタメや芸術の分野に出てくると思うんです。その中で一番観客を得られているのが映画です。ところで、日本では韓国の反日感情が強いと思っている人が多いのですが、実際に韓国の地方なんかを回っていると、『日本から来たのか、よく来たね』と歓迎してくれる人が多いんですけどね」
慎「反日感情というものが、全然ないように感じますね」
康「感じたことないですよね」
慎「日本の一部のメディアに言われるような、露骨で感情的でヒステリックな反日感情というのはほぼないと思います」
康「僕もそう思いますね。経済的に成長してきた韓国は自分の国に自信を持ってきたから、いわゆる反日感情をいつまでも持っているとは思えませんね」
慎「はい」
康「反日感情というのはコンプレックスの裏返しじゃないですか」
慎「日本でテレビを見ると、理性的な報道をしていませんね」
康「その通りですね」
慎「もちろん、韓国でも過激な行動に出る人がわずかにいますが、基本的には韓国の人たちは理性を持って、日本に学ばなければいけないところを認識し、あるいは、日本のいいところをよく見ていると思います」
(終わり)