第3回 黙っていない韓国人
活性化する映画界
康「映画はどちらかと言うと、今までの韓国社会のしがらみの中でお金やスタッフを集めたりしていますので、人間関係が濃厚に韓国的だと思います」
慎「すごくエネルギッシュですね」
康「韓国人はなんであんなに映画が好きなのかな。すごく映画を見るよね。人口5千万の国で観客動員1千万人突破という作品がどんどん出てきますよね」
慎「映画が1つの娯楽として定着しているんですよ。不思議なところもあります。というのは、韓国はテレビのチャンネルがめちゃくちゃ多いんですよ。もちろん、日本も多いのでしょうけど、明らかに違うのは月額費用が日本に比べると韓国はとても安いんです。それで、みんなケーブルテレビを当たり前のように契約するじゃないですか。日常的に見るチャンネルはすごく多いし、ネットでもいっぱいリアル放送を見ている中で、ともすれば映画産業は死んでもおかしくありません」
康「そうですね」
慎「その時間に合わせてわざわざ劇場に足を運ぶ。お金を払って見る。一番手間がかかるんですよ。だって、今はネットで見たいときに見れますし、テレビをつければ何でもやっているし、自分のライフスタイルに合わせていつでもどこでも見られます。それなのに劇場で見るというのは、すごく積極的だと思うんですよ」
康「基本的に韓国人は、出かけるのが好きなんですよ。たとえば、韓国の地方を回っていると、駅前に高齢者がいっぱいいるんです。普通は、『あれだけの年齢だったら家でゆっくりしたいだろうな』と思うけど、違うんですよ。やっぱり、韓国の年配の人は用もないのに街に出てきて、公園で将棋をやったり賭け事をしています。基本的に出かけるのが好きな国民性で、映画も出かける理由としてすごくマッチしているんだと思うんです」
慎「本当に映画の力はすごいですよね」(ページ2に続く)