対談「最近の韓国はどうなっているか」(康熙奉・慎武宏2)

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第2回 変化する韓国

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成長の過程で失ったものも多い

康「日本と韓国のメディアを比較してみると……」

慎「韓国のメディアからすると、日本の週刊誌ジャーナリズムにいっぱい驚くこともあります。特に写真週刊誌や青年漫画誌の刺激的な露出にびっくりする人もいます」

康「あれはびっくりするでしょうね」

慎「まあ、どっちもどっちだと僕はいつも言うんですけど」

康「でも、韓国はニュース週刊誌はあっても、『週刊文春』みたいな雑誌ジャーナリズムが育たなかったから」

慎「今、韓国の中でそういうのは必要ないですね。もうネットが急速に普及してしまったので……。かいつまんで言うと、もともと日本の雑誌・書籍文化は成熟しているし、長い年月をかけて作られてきた成熟市場だと思うんですよ。韓国の場合は、長く言論が不自由な中でようやく民主化されて言論の自由が許された。けれど、出版・雑誌市場が段階的に成長するんじゃなくて、アッという間にネットが普及してきてしまった」

康「その通りですね」




慎「たとえば、1段階、2段階、3段階、4段階という段階を踏んでから成熟してくるものがあるとするならば、日本はちゃんと1段階、2段階、3段階、4段階があって今があるのに、韓国は2段階と3段階がすっぽり抜けちゃってるわけですよ」

康「出版だけではなくて、多くの分野でそういう傾向があるでしょ」

慎「それが今の経済やスポーツを含めて、こんな速いスピードでいろんな分野が成長した理由でもあるんじゃないですか」

康「韓国は短期間に一気に成長するものだから、その間に抜けてしまうものがいっぱいあるということですね」

慎「そうです。抜けてしまったり見落としてしまったりしている部分がおそらくあると思います。今は少しずつ歪みが明らかになってきているというところじゃないですか」

康「1つ1つ問題を解決していくんじゃなくて、韓国の場合はとりあえずそれを置いて次に行ってしまうから、残されたものが歪んでしまうということですね」

慎「それをまた改善しようという試みをやっているところはあります。サッカーも昔だったら本当にエリート主義で、勝敗至上主義の陰で切り捨てられた人が多かったですね。1回の失敗で選手生命が抹殺されるから大変です。でも、今はそれを見直す風潮となり、地道に上達するシステムが整いつつあります」(ページ2に続く)

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