第1回 飛躍の『ファン・ジニ』
子役時代もプロ意識が高かった
『テバク』に主演するチャン・グンソク。放送は韓国SBSで3月28日から始まるが、公開されたポスター写真の彼を見て、グッと引き込まれた。表情に「覚悟」が込められている。よほど意欲的なのだろう。
撮影中の『テバク』は前評判がいいが、チャン・グンソクの表情を見るかぎり、大いに期待が持てる作品になりそうだ。
それにしても、チャン・グンソクは芸歴が長い俳優だ。「子役は大成しない」というジンクスがあるが、彼の場合は当てはまらなかった。本当に幸いだった。
そんなチャン・グンソクの『テバク』までの歩みを、今回の連載ではたっぷりと振り返ってみよう。
彼は、5歳のときにスカウトされて子供服のモデルとしてデビューした。10歳になって、ドラマ『幸福を売ります』で俳優として活動を始めた。
早い段階でデビューした彼は、おませな部分もあり、小学生の頃には、好きな女の子ができたら「オレの彼女にしてやるよ」とラブレターを送ったりもした。また、「ルックスだけではなくオレの演技を見てほしい」と言うほどプライドも高かった。
その後も名子役として多くのドラマに出演し、中学時代にはモデルとしても活躍。それだけにチャン・グンソクにかかる期待はとても大きかった。
彼自身もそれを自覚していたが、徐々にデビューする同世代を見てそれが傲慢だったことに気づく。チャン・グンソクは、そこに気づいたからこそ「子役は大成しない」というジンクスを見事に打ち破ったのだ。
「ときには、子役出身の俳優がどうやって難しい青年期を乗り越えられたのかと聞かれます。困難だからこそ、仕事をして責任感が強くなったのだと思います。グレやすいと言われる思春期も知らずに通り過ぎましたし、酒もたばこも知りませんでした。両親とケンカをして家を飛び出しても撮影が心配になり、すぐに帰っていました」
子役時代から芸能界にいたことは、彼に高いプロ意識を植えつけた。(ページ2に続く)